歩留り改善について_1 ~現状把握~

製造業であれば、歩留り改善はどこの会社でも行っていると思います。

必ず改善部隊がいて、日々大変な思いをしているはずです。

では、どんなことをやるのか見ていきましょう。

 

・歩留り(ぶどまり)とは

簡単にいうと良品率になります。

たいていの現場で使われる「歩留り」というのは「歩留り率」のことで、たいていは「歩留り**%」というように「率」を略して使われてしまっています。

  歩留り=良品数 / 製造数

  歩留り率(%)=良品数 / 製造数 ×100

例)100個製造して、不良品数が10個だとします。

  良品数は90個ですので、90/100=0.9、つまり歩留り率は90%となります。

 

1、現状把握

最初に行うべきは現状把握です。

どんな不良がどれくらい発生しているかを把握します。

期の始めに改善目標を決める上でも、どれくらい改善できるのか具体的な数値を出すためには現状の数値と、どの程度改善できるかを把握していないとできません。

 

このときによく使われるのがパレート図になります。

よく品質管理に詳しい方がパレート図の書き方についてケチをつけることがありますが、現状把握をするために使っているだけですので聞き流してください。

パレート図に関しては後日説明します。

 

パレート図ができたら、次のステップに進みます。

 

2、不良ワースト3に対して改善

だいたい不良ワースト3を足すと、不良の8割を占めると思います。

この多く発生している不具合に対して、すぐに対策を打つことが重要になります。

 

簡単に改善できるのであればよいですが、改善効果がでるまで何度も実験を繰り返すことになると思います。

ある程度、中~長期的な視点を持って取り組みます。

 

3、すぐに改善できる項目はすぐに実施

不良ワースト3にこだわらずに、簡単に改善できることであればすぐに実施してください。

どんなに小さいことでも構いません。

 

歩留り改善で求められるのは、改善した結果だけです。

上の人にとって過程はどうでもよいのです。

たいていは難しい問題が多く、すぐには結果が出ないです。

 

周りからはプレッシャーをかけられ、焦って余裕がなくなります。

すぐに効果があることをやっていれば、たとえ改善効果が微々でも自分が安心できます。周りの目も多少和らぐので、その間に着々とワースト3の改善に取り組んでください。

 

今の時代はとにかくスピードが重要です。

製造している製品が数か月後に需要が落ちて、ほとんど生産がなくなることもあります。じっくり一つの製品を何か月も大量に生産することは、今の日本の製造業ではレアです。