歩留り改善について_2 ~原因を考える~

それでは、具体的な改善活動になります。

 

1、FTAを活用する

まず、原因が何かを考えることから始めます。

原因が明らかな場合は、飛ばしてください。

ここで大事なのは、原因の要因を「抜けなく、もれなく」考え、立ち返ることができるようにすることです。

 

FTA:Fault Tree Analysisの略、フォルトツリー解析、故障の木解析とも言います。

原因となる要因をなぜ、なぜ、なぜ・・・と書いていきます。

これは思考ツールとして使ってください。

ネットで検索するときちんとした書き方が出てきますが、時間の無駄です。

箇条書きでよいので、書き出してみてください。

下図のレベルでよいです。

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2、現物を見る

必ず現物を自分の目で確認してください。

いくつか不良の中で特徴が異なるものが出ていたりします。

不良原因が違っても、最終検査では同じ不良項目となってしまう場合がありますので自分で確認する必要があります。

・特徴が似ているものでグループ分けする

・発生分布はあるか?

・形状に特徴はあるか?

 顕微鏡などで倍率変えてみるのも良いです。

・発生率で急激な増減があるか?

 

3、装置を見る

FTAで上げた要因について、装置がどのような状況なのか自分の目で確認してください。

じっくり見てください。

凝集して固まった液体がスプレーノズルに詰まっているとか、ギアから発塵した異物がワークに付着するとか見えてきます。

1号機は問題なくて、2号機で問題出る場合は、装置の構成が微妙に違っている場合などもあります。

 

4、改善実験を繰り返す

現物、装置を確認すれば、だいたいの怪しいところがわかってくると思います。

そこからは実験して、改善を繰り返すだけです。

 

ここで大事なのは仮説をきちんと考えることです。

 仮説:何が原因で、こういう原理でこうなる。

これをきちんと書いてください。

失敗したとき同じ失敗を繰り返すのを防ぐためです。

 

それでも簡単にうまくいかないことが多いです。

ただ、ここまでくると、新しく思いついた原因なども出てくるはずです。

そこで、最初に作ったFTAに追記していきます。

そうすることで視野が広がっていきます。

原因がわからないとき、うまくいかないときは何度もFTAを振り返ってください。

(上司に説明するときも、原因と考えられるのはこれらで、ここを検証していますと簡単に説明することができます。) 

 

そもそも原因がすぐに思いつくことであれば、不具合などすぐに改善できます。

思いつかないことが原因になっている場合は、自分の気づきが重要になってくるのです。

大勢でFTAを考えればいいのですが、たいてい他の人は自分のテーマで忙しいので真剣に考えてくれることはあまり無いです。

自分で書いたものを見せて、「他に何かある?これってどう思う?」と聞いたほうが結果的に早く質の良いものになります。